2012年2月27日月曜日

IT 業界で働くとは - エルピーダの会社更生法適用申請を機に思ったこと

エルピーダを存続させた理由として正当化できる(と私が思える)のは雇用確保だけだ。無駄な努力に終わったが、政府が雇用のために動く(= 税金を使う)ことは間違ってはいないと思う。公的資金注入の理由にはたして雇用確保があったかどうかは知らないが、「産業のコメ」がこじつけなのは知ってる。

でも同時に、人材の流動性がもっと高ければ、政府が雇用について悩む必要もなく、税金を 280 億円も失うこともなかっただろうとも思う。

かつて Andrew Grove (Intel) は "Only the paranoid can survive" と言った。Steve Ballmer (Microsoft) は「変化が嫌いな奴は(IT 業界を辞めて)食品業界へ行け」と言った。

IT 業界は変化が大きくて速い。ということは、会社が大成功する可能性も高いし、潰れる可能性も高い。誰も悪くなくても会社は潰れるし、産業は衰退する。エルピーダは経営戦略に問題はあっただろうが、オリンパスと違って罪を犯してはいない。それでも会社は潰れる。

IT 業界で働くのであれば、「誰も何も悪いことをしなくても会社が潰れるリスク(が高いこと)」を覚悟しなくてはいけない。

潰れるリスクを覚悟するというのは、具体的には、会社が潰れても生きていけるようなスキル・人脈を構築するという事だ。会社が潰れないように政府が動いてくれることを期待しないということだ。

これは自己責任論とは異なる話だ。今の日本政府は、イラクに飛び込んでいった日本人 3 人を助けることはできても、会社や産業を救うことはできない。3 年前のエルピーダメモリに 400 億円を投じることはできたが、今後はもっと厳しくなるだろう。だから、自己責任であるべきかどうかという議論はそもそも成立しない。

もし IT 業界への就職を考えている学生とかが身近にいたら、こういうことを伝えてあげたいと思う。(若干余談だが、ITに近づきつつある元家電業界の人たちは、こういうことをわかってるのか心配だ。余計なお世話か。だといいな。) 会社が潰れるのは資本主義社会では当然だし、産業は移ろっていくものだが、そのときに「仕事がなくなってしまう」「雇用のために税金を投入しよう」という議論が起こらないようにしたい。

Disclaimer: 私は IT 業界以外で働いたことはないですし、このエントリに他業界を貶める意図はないので、「XXX 業界の方が大変なんだ!」的なコメントはご遠慮ください。

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