2009年11月9日月曜日

Sumo Wrestlersはやればできる子 & 空気読む子

「角界(相撲業界)には八百長が蔓延しているのでは?」という話は、たびたび出てくるワイドショーネタであるが、「ヤバい経済学」に興味深い話しが出ていたので抜粋します。あ、ちなみにKindleで英語版を読んでいるので、単語が変です。相撲用語がわからないので、ご了承ください。

まず(私も知らなかったのですが)相撲の基本から。
  • 上位66位の力士は幕内と十両と呼ばれ、相撲のエリートである。
  • ランキングによる待遇の差が大きい。40位だと年収1,700万円ぐらい。70位だと年収150万円。しかも、低位の力士は高位の力士のご飯を作ったり、体を洗ったりしなくちゃいけない。
  • ランキングは、年に6回のトーナメント(巡業?)の成績で決まる。
  • 一人の力士は、一回のトーナメントで15試合戦う。8勝以上だとランキングが上がる。7勝以下だとランキングが下がる。負けまくると幕内じゃなくなる。
  • 従って、8勝できるかどうかが極めて重要になる。
ということから、7勝7敗で千秋楽を迎えた力士Aが、すでに8勝以上の力士Bに対し、「わざと負けてもらえませんかね~? お礼はたっぷり弾みますぜ、旦那」という取引を持ちかけることは十分考えられます。なぜなら、8勝以上の力士にとっての1勝よりも、7勝7敗の力士にとっての1勝の方が価値が高いからです。
(なお、10勝以上していると、殊勲賞・技能賞・敢闘賞がもらえる可能性が高くなるので、10勝以上の力士に八百長を持ちかけても断られる可能性が高い。きちんと八百長をするには、相手を見極めなくてはいけない。)

千秋楽において、7勝7敗の力士Aと8勝6敗の力士Bが戦うことになったとします。A, Bが戦った過去のデータから、力士Aが勝つ確率は48.7%だそうです。では実際に千秋楽で戦った結果はというと、何と79.6%で力士Aが勝っているそうな。

うーん、すごい。過去の対戦から推測される勝率の2倍の確率で勝つとは。某サッカー漫画において、シュナイダーのファイヤーショットを練習では50%しかセーブできなかったのに、本番の試合になると50%以上でセーブできる天才キーパー若林源蔵を彷彿とさせます。力士も若林君もやればできる子なんですね。

さて、これだと「背水の陣を敷いた力士は強いぜ」で片付けることも可能ですが、面白いのはここからです。
最初に書いたとおり、「角界の八百長疑惑」はたびたびワイドショーで取り上げられます。では、八百長疑惑がマスコミを賑わせた直後のトーナメントにおいては、「やればできる子」はどうなるんでしょう。

普通に考えると、「やればできる子」はいつも通り千秋楽では界王拳2倍で頑張るので79.6%で勝てるはずです。ところが、データによると、八百長疑惑が報じられた直後のトーナメントの千秋楽では、7勝7敗の力士は8勝6敗の力士に約50%でしか勝っていないのです。やればできる子たちは、一体どうしたんだ!?

知り合いに角界関係者がいないので推測しかできませんが、恐らくこういうことだと思います。つまり、やればできる子の力士Aは、「みんなが『力士は八百長してる』って言ってるよー。今まで48.7%でしか勝ってなかった僕がこの試合に勝っちゃったら、八百長説が更に盛り上がっちゃうかも・・・。どうしよう。今日勝たないと8敗になって降格しちゃうかもしれないのに。困ったなー」と、敏感に空気を読んで悩んでしまい、界王拳が使えなくなってしまうのです。

つまり、マスコミが「八百長疑惑」を騒ぎ立てることが、力士たちのフェアな戦いを阻害しているのです。何てこった。

マスコミの皆さんへ:
力士たちは「空気読む子」なので、八百長疑惑を騒ぎ立てないように注意してください。お願いします。


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