2009年10月27日火曜日

NUMB3RSの方程式が実際に使える数式である件に関する一考察

一般的に、数学は嫌われていると言っても過言ではないと思う。「数学が大好きです」という人は滅多にいない。従って、数学を扱ったドラマは人気が出ないだろうと推測できるわけだが、それを覆したドラマがある。NUMB3RSである。


TSUTAYAで、「海外ドラマのシーズン1は全て100円」キャンペーンをやっていたので、以前から見たいと思っていたNUMB3RSを借りてきた。NUMB3RSは、一点を除いて、いわゆる普通の刑事ドラマで、FBIが難事件を解決するというストーリーである。NUMB3RSが特徴的なのは、事件解決のポイントが天才数学者の閃きにかかっている点である。


CSIが現場の科学的捜査(鑑識)に焦点を当てたように、NUMB3RSではさまざまなデータ(現場の地理的分布や犯罪の特徴など)から方程式を作りだし、それによって次の犯罪を予測したり、犯人の住所を推定したりする。


というストーリーなので、当然画面には超複雑な数式が何度も出てくる。始めてみたときは当然「数式は、リアリティを出すための小道具だろう」と思ったのだが、Wikipediaを調べて驚いた。
番組内で提示されている数学は現実のものである。黒板上の方程式は正しいもので、各回の番組内の状況に実際に適用できる。
全米数学者協会のこのコラムによれば、実際にCalTechの数学者がコンサルタントとして制作に協力しているそうだ。(ちなみにNUMB3RSの数学者が所属している大学はCalSciという架空の大学である)


これはすごいなーと思うと同時に、なぜここまでリアリズムを追求するのかが気になった。提示される数式が正しいかどうかなどほとんどの視聴者は気にしないし、気にしたところでわかる人はほとんどいない、と断言できる。また、この「実際に適用できる正しい数式である」という情報は、公式サイト(英語 / 日本語) には書いていない。私はWikipediaで初めて知った次第である。従って、マーケティングにも役だっていない。


数学者にコンサルティングを依頼することは、時間的にも金銭的にもコストがかかるはずで、何らかのベネフィットがなければ依頼しないだろう。製作者が「実際の数式だけが持つ本物のリアリティが、たとえ視聴者は理解できなくても、ドラマのクオリティを上げるだろう」と考えたのだろうか。だとしたら、それは制作者としてのprofessionalismを感じるようで、なんとなく嬉しくなる。


ちなみに同コラムによれば、シーズン1の始めの方の、連続レイプ事件と連続銀行強盗とは、実際にあった事件をベースにしていて、どちらも実際に数学者が操作に協力し、実際に数式が使われたそうな。うーん、アメリカの犯罪捜査って進んでるなー。

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